足尾へ

足尾銅山の記録が出版される。
 小野崎一徳というひとが明治期から撮りためていた写真がその子孫によって整理され出版された。驚くべき膨大で貴重な資料である。
 田中正造の直訴事件、公害の原点としての足尾が見方によっては幾分異なる視点から見ることの出来るもの、としてここにある。沈殿地、集塵装置など当時最先端の予防技術がここには撮影されている。産業の規模も眼を見張るものである。当時としては最大規模の産業の現場で何が行われていたのか、資料は詳細なキャプションを伴うことでわれわれに伝える。技術とはいつも不完全なところを持つ。当時としては最先端の技術でありそれを導入し工夫する意識、認識はあった。しかしそれが負の大きな被害を未然にすることが出来ないものでもあった。
 足尾の教えることは、今まで以上に複雑に理解する必要があるのだろう。足尾の産業遺産としての意味はとても大きい物と思う。(野沢)
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出版社: 新樹社 (2006/12)  ISBN-13: 978-4787585592  ASIN: 4787585592

by noz1969 | 2007-01-15 12:27 | 本・DVD
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