昨日 立川市役所へ出向き 市長、副市長ほか建設当時お世話になった方々と会った。市庁舎が「日本建築学会作品選奨」を受賞、いただいた金属製の重いプレートをお届けするためであった。二階の市長室はこの建物ではこことこの上の三階だけに存在する西向きの大きな開口部がある部屋である。その向こうに60メートルの幅のあふれる緑の道が見える。西日を避けるためのルーバーが予算の都合で設置できなかったところだ。そのテラスにプランターが置かれネットが設置されている。パッションフルーツによる緑のカーテンの準備である。話題はおのずとエコロジカルな、環境指向の話題に。清水市長はことのほか植物、農業に詳しい。西日というネガティブな話が収穫が楽しみな植物の栽培に、手入れを楽しみにすることに向かう。これが3,11以降の社会である。繁茂が楽しみだ。開口部が開閉でき、周囲にプランターの置けるテラススペースがあることの利点、意味を再確認した。
市長室を辞去し中央の大きなアトリウムにいたる。のこぎり状の屋根の上のふたつの風塔が全開している。各階の欄間も全開である。中庭の窓もあちこち開いている。注意深く室内気候を観察する。おだやかな自然風が不規則に感じられる。明らかに空調空気と異なる心地よい体感である。3,11以降、この建築の運用はここを仕事の場とする職員の自発により、きわめて注意深く、様々な工夫に満ちている。いくぶん曇りがちであったとはいえ6月に入った今、日中、全館自然換気で執務している市庁舎、オフィスビルはそうないのではないだろうか。建物内は快適な温度を保つ。昨夜も風塔が開かれていたに違いがない。PCコンクリート躯体が夜間外気温が蓄積されているのだろう。いくぶん冷たい。それが日中の室温に大きく貢献している。ナイトパージの威力といえよう。 夜間の外気取り入れは仮に空調使用時であっても立ち上がりの負荷を低減し、一日の負荷をおおむね半減させている。この日の立川市庁舎は空調負荷ゼロで運用されたと考えてよいだろう。試みは成功したと言ってよいだろう。
by noz1969
| 2012-06-06 11:37
| 日記
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