五日市の街道沿いの民家を改修している。高校時代の友人の育った家である。母屋の二階建てを平屋に減築、杉丸太の軒桁で下屋を回し架ける。全ての部屋を畳敷きの和室に、という伝統的日本家屋をいっそう本格的日本家屋とするとでもいうべき計画である。相羽の秋山棟梁が居なかったら手におえなかったといえよう。吉村順三、中村外二、など事務所にある様々な和風建築の資料が机の上に積み上げられている。現況 既に二階部分は無く平屋の姿となった。全ての壁がはがされ木摺りだけとなっている。日本家屋は本来平屋であったのであろう。このほうが明らかに美しい。敷地の北の隅に小さな風呂小屋を新築する。太陽熱で湯を沸かし入る。涼みつつ縁で酒を飲む。これがオーナーの楽しみとなる。
ここから少し下ったところに秋川の清流が流れる。彼の少年期の原風景、孫たちの夏の家となる。東京の近傍にこんなところがある。それも記憶と深くつながる家が。すばらしい。 #
by noz1969
| 2013-06-05 13:07
| プロジェクト
1500㎡の築50年校舎を1000㎡に減築し、耐震化、快適化、省CO2化のプロジェクトとしまったく新たなものとして完工したのがほぼ2年半ほど前であった。その後失った500㎡の学堂を新たに建設する計画がゆっくりだが進んでいた。いよいよその工事に手が付けられ その姿を現し始めた。500㎡の木造平屋、主に教室と図書館が入る。図書館部分に林立する樹状の柱、教室部は支点桁による架構である。材は地元紀伊半島尾鷲の杉、構造は稲山正弘氏。家具のデザインに小泉誠さんに登場してもらっている。愛農の仕事は当初「いわむらかずお絵本の丘美術館」を関係者の皆さんが見てくれたことが発端となったものであった。それが木造ではなく既存のRC校舎の減築、改修から整備が始まることになったのはこちらからの「もったいない」という提案によっていた。やっと当初のもくろみにたどり着き、本来の地元の木による木造建築を作るというプロジェクトが実現することとなる。「位相をずらした柱列」の効果がどれほどか、まもなくそれが姿を現す。楽しみである。
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by noz1969
| 2013-06-05 12:50
| プロジェクト
三加和の建方が進捗、校舎の架構はほぼ完工し、屋根、壁などが施工され仕上げにかかっている。体育館は最終のいくつかのフレームを残し全貌が見えつつあり一部の屋根、開口部、壁などの仕事も追いかけながら開始されている。内部は作業用の構台が汲まれているため、その壮観さはいまだわからない。
このフレームは材が組み合いながら少しずつせり上げるという複雑なもの。大工、森棟梁はCADで表示されるmm以下の数値を拾いながら墨付け、きざみを行う。彼はこの複雑な仕組みを難なく理解し決して手が止まるということが無い。その頭脳に、そしてこの膨大な作業を軽々とこなす力量に深く敬意を表さないわけに行かぬ。 構台が撤去される7月が本当に楽しみである。構造の山辺氏も足しげく現場に赴いている。「こんなことはめったに無い」とは事務所担当者の弁である。必ず森林があふれるこの国にふさわしい本来の木造建築が現出すると確信している。 #
by noz1969
| 2013-06-05 12:32
| プロジェクト
昨日 三加和小学校に行く。上棟であった。屋内運動場(体育館)のほぼ半分の架構が立ち上がっている。作業のための構台があり全貌を見ることはできないのだがかなりの迫力である。これからは北側から建てこんでいくことになる。フレームの地組がされている。昨日は上棟式であった。多くの人が集まり三枚の棟札が収まるのを見守った。この棟札は統合する三つの小学校の生徒先生すべての名前が記載されたもの。その後餅まきがあり私たちも足場に上がり餅を撒く。木造建築の上棟式はさすがに高揚する。
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by noz1969
| 2013-05-12 11:03
| プロジェクト
スタッフは毎週のように現地入りしている。構造の山辺氏も二度ほど現地入りしている。が、私は基礎コンクリート打設時に訪れ、大工に会い刻んでいる作業場で仮に組み上げられていたフレームユニットを見せてもらって以降、訪れる機会が無い。来週にやっとその機会は訪れる。
体育館の架構は南北両方から少しずつ中央付近に向かい上方に上る形をとる。架構列が勾配しているのである。大工はCAD図に表れるミリ以下二桁の数字を読み墨付けし刻むという作業をする。それも一本の材の表と裏で墨付けが異なる。こんな仕事が可能な円熟の技能者=大工=が存在するのはこの国の他にはない。そう思う。先日送られてきた写真によると既に5~6のフレームユニットが架かっている。構台があるのでわかりにくいが21メートルを架け渡された姿はかなりの迫力である。 校舎の架構も順調に上がってきている。三年生、四年生の中学年棟は中学校と同レベルに床面が整えられている。既にここは姿を現した。その南、中庭の先にある一年生、二年生の棟の架構はこれからだがここは1.2メートルほど低いレベルとなる。スロープがこの二つのレベルをつなぎ、屋根は一枚で懸かることになる。 木造は体育館、校舎ともに足元から立上る本来の木造である。昨今の大型の木造が垂直部や妻部をRCとし屋根架構のみを木造とするつまりRCに寄りかかる形を取るものが多いように見受けられる。ここではそうすることをしていない。その分必ず本格的木構造となるはずと期待もしている。6月の段階で上棟の予定。上棟時に掲げる棟札にここに学ぶことになる小学校生徒の子供達全員の名前を書いてもらう準備も進行中だ。 #
by noz1969
| 2013-05-01 15:24
| プロジェクト
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