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東工大三年生

昨日講評であった。様々な提案があった。粘った学生が多くいた。終盤に至り思考の密度が上昇、水準以上の結果であったと思う。講評には毎回のエスキスに参加してくれたいた奥山さん、中井君、安森君のほか坂本さん、八木さん、塚本さん、安田さんも参加してくれ、にぎやかなものとなった。課題は百草団地を敷地にしている。40年ほど前に建設された独特の住棟配置で知られる団地だ。今日から見るときわめて建蔽率が低い。そこに豊かな緑が時を経て茂る。学生には敷地の勾配がわかるデータが渡され全体の模型も課題提出の時点で製作されている。学生諸君はそれと格闘することとなった。勾配とヴィスタを頼りに図書館を置いた案、近傍の山への散策路を手がかりにする案。擁壁や斜面を手がかりに賑わいや、公共施設を作る案、センター施設のユニークな形態を残しながらコンバージョン試みる案、畑、果樹園などを手がかりにする空地に着目した案、など様々な提案があった。終了後懇親会。その後坂本研で食事をしつつ懇談、話題はあちこちに及ぶ。中井君が4月から移動とのこと。中井君、安森君には学生との応答を多くしてもらったに違いない。それあっての結果であろう。手厚いサポートに感謝したい。
by noz1969 | 2008-01-29 13:06 | 日記

土木遺産

土木学会が80年を記念して出版した「人は何を築いてきたか」山海堂は1995年の出版であった。この本によって様々な景観が様々に人の手によっていることをあらためて知り 各地の地勢の様々な違いすら知る。名著である。旅行の折に近傍の遺構を探し立ち寄ることをしたこともある。だが調べたところ既に絶版のようだ。昨日書店で同様の主題のもっとポピュラーな本を見つけた。「なるほど知図帳 世界に誇る 日本の建造物 現代日本を創ったビッグプロジェクト」というびっくりするほど長いタイトルのムックである。出版は地図系の書籍で著名な昭文社である。タイトルのにぎやかさに比べ内容の充実度は感嘆に値するもの。対象は橋、ダム、トンネル、治水、炭鉱などの産業遺構、軍事関連の遺構という六つのジャンル。 それらの全国の主要な事例を写真、データつきで網羅、もちろん昭文社だけに所在地のわかる地図がついている。奥付を見ると西山芳一さんと言うカメラマンひとりの撮影と執筆。埼玉大土木のの窪田陽一さんが監修と概要の執筆をしていらっしゃる。ちなみに1995年のの出版の取りまとめも窪田先生であった。今回掲載された事例は総数400に近い。西山さんは造形大を出た写真家とのことだがこの集積はすごい。大変な業績である。どれほど日本中を歩かれたのだろうか。それにこれ等事例の多くは山間など訪ねることの難しい地域にある。おそらく窪田先生も全事例を見てはいらっしゃらないのではないか。

今回のムックは前書に比べ格段に出版部数も大きいのだろう。価格は前回出版の半分以下、2100円である。こうしたものへの一般の興味が10年前に比し格段に大きなものになっている証でもあるのだろう。景観の保全の一助に必ずなるに違いない。

http://www.mapple.co.jp/publ/naruhodo_k.html
by noz1969 | 2008-01-28 13:10 | 本・DVD

ムサビ 卒業設計講評

23,24の両日ムサビの卒業設計の講評があった。両日付き合う。今年が初めてである。10月からの3ヶ月ほどの期間が当てられたという割りに、総じて密度は薄い印象であった。きわめて薄いといってもいいかもしれない。これほど小さく軽いプロジェクトでいいのか、と思われるものもある。図面が甘い。プレゼンだけからは敷地がどこであるかわからないものがある。第三者が読み取ることをプレゼンの役割として理解していないのだ。自分の作りたい場、シーンはさすがに思い入れたっぷりにある。その説明に終始するが、総体としてのプログラム、建築として成立するための精査が無い。考えなければいけないことが多くあるように思った。もちろん上位の作品の質が低いわけでは決して無い、むしろ高いと言えるのかも知れぬ。たくさんの作品を見続ける中でそれらの印象が埋没してしまったのかもしれないのだが。ここでは美大の建築学科として特徴的であろうと思われる実大の製作をするスタジオがある。屋外に設営されたエクスパンドメタル、溶接金網を素材としたものに新鮮な面白さがあった。成績の判定が深夜に及んだが、最優秀は無しという結果であった。

講評終了後、過日相談に来た学生が「希望の保存修復の大学院に合格した」と嬉しそうに話した。4月からのスタートが全員にとり充実したものであることを願う。
by noz1969 | 2008-01-25 15:24 | 日記

「滝山コミューン一九七四」と「みなさん、さようなら」

昨年末から今年にかけて 上記二つの団地を舞台にする本を読んだ。「研究会」のことがあり団地と言う文字を見ると反応してしまう。「滝山コミューン一九十四」は文字通り1974年の滝山団地の小学校を舞台にするもの。著者の原武史はいうまでもないが「大正天皇」で注目された歴史学者。鉄道ものの著書でも著名な人である。
1962年生まれであり、恐怖を覚えるこの話はもちろん著者の体験と記録、記憶、調査が基にある。無批判な信仰と呼んだほうがいいと思われる信念がいかに被害の大きいものであるかを思う。昨年の「朝日」年末書評で二名の人がこの本をあげていたと記憶する。「みなさん、さようなら」久保寺健彦は特に特定できないが郊外団地に引きこもり、団地の退潮を見続ける少年の話、幾分創作のにおいが濃い設定。主人公の十代いわば青春を描くもの。引きこもりの根拠の提示があってからは納得しながら読む。これは新春の朝日書評欄で取り上げられていたことで知った。団地と言う形態が戦後の一時代の集団としての社会実験であり、一人一人の当事者にとっては一種の人体実験でもあったこと、そこでの教育がそうしたものの極端な場であったことを思う。特に空白と思っていた時代が極めて深く60年代70年代の負の波の中にあったことを考えさせられた。ソビエト的社会がここにあったともいえるのか。

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by noz1969 | 2008-01-18 23:51 | 本・DVD

黒磯へ

小さいドミノの打ち合せで栃木県の黒磯へ。
現場へ着いた時は晴れていたのですが、しばらくすると雪が降ってきました。

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黒磯は雪が降るため、屋根の勾配を3寸にしています。
登り梁に構造用MDFを規格サイズの910づつ割り付けていくと端数が出ました。
そこで中央で合わせるとこんな風になりました。
アクシデントから生まれたデザインですが、きれいです。

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現場へ来た一番のポイントは構造です。
軸組み、金物、中心の柱まわり、構造用MDF。
木造ドミノは構造が特殊なため、大工さんは少し戸惑うようです。
例えば、ホールダウン金物は建物の四隅にしか使ったことがないとのこと。
図面で指示するだけでなく、何故たくさんの金物を使うか等、現場で通じるマニュアルが求められます。
(織田)

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by noz1969 | 2008-01-17 00:07 | 木造ドミノ

甲府 腑分け

甲府が一段落した。折に触れここで試みたことについてメモをしてみようと思う。今回がその一回目である。

甲府の木造は中庭を囲む「ロの字」それぞれ各辺がトラス型断面を幾分異なる形に変形させて展開することで成立している。正形の断面はプレイルームのもので左右対称である。教室が収まっている南面北面の棟は集熱勾配とその長さを確保するため頂点がずれた形状となり、玄関や教員の部屋などのある東棟もロフトの確保などにより変形している。この方法により十分な室内高さと1,8メートルの長い庇を可能にしている。集熱屋根ののジョイントは仕口を組みそれを外断熱パネル固定用の長い木ねじで締めつけると言うもので稲山さんの実証実験によっている。唐松材の架構にこの方法は適していたように考えている。かなり良材を供給してくれたと思うが大工にはカラマツであることの取り扱いの難しさがあったのではないかと思う。もちろん材の強度は申し分ない。むろん杉檜を軽くしのぐ。これからもこのような工夫を試みる可能性がありそうである。
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南北断面集熱屋根、廊下が断面を決める。トラス内は天井裏となる。

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東西断面 プレイルーム、教員室
by noz1969 | 2008-01-16 12:27 | 甲府幼稚園

甲府へ

引渡しを控えて最終のチェックであった。ただしニ三の工事が未完、現場はあと数日の作業が残った。今日はオーエム計画の面々も現場に訪れている。正午をはさんだ4時間ほどの間の集熱温度は57℃から60℃。それも太陽高度の下がる午後3時に近くなっても続いている。竣工間際でありコンクリートの温度が低いことからこの冬はそれほどの室温は期待できないが次年度はかなりの効果が望めるだろう。
「木造ドミノ」でも経験済みだがハット型集熱の効率がここでも現われている。どうもこの効果はガラス付き集熱面の勾配が冬向きであることだけによるのでなく、手前の緩勾配屋根による反射光が集熱面到達しそれが及ぼす効果ではないかと思える。
クライアントの皆さんとも細かいところに付き打ち合わせをする。外構の整備も佳境。消防予防課に出向き打ち合わせの後帰京。その足で東京都庁での会議。
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by noz1969 | 2008-01-11 17:21 | 甲府幼稚園

一月六日、朝日

新春最初の日曜日、一月六日の朝日新聞、列島360°という比較的大きなシリーズ企画が福島県のオーエムソーラー施設についての詳細な記事であった。福島がこの方法による公共建築のメッカであることを紹介しながらそれを「ローテク 福島の挑戦」と銘打っている。
確かにオーエム創設当初から福島は学校建築などにこの方法を積極的に取り入れたところであった。何度か見学にも行った。最近でも 島影さん設計の幼稚園見学の記憶は懐かしい。
記事は災害時の体育館の室温に触れ新潟地震などの折に体育館に避難した人々が寒さで体調を崩した例を挙げて、この方法の持つ意義を指摘してもいる。
オーエム黎明期「ソーラー研」以来 私と奥村が中心になり設計した阿品土谷病院を筆頭に住宅のほかにたくさんのこうした施設の実績がありその効用を実感するものとしてとても励みとなる記事であった。
われわれが設計し小澤建築工房が施工する甲府の幼稚園もまもなく竣工しその列に加わることとなる。そういえば「いわむらかずお絵本の丘美術館」は今年もう10周年の記念の年を迎えることとなった。
過去オーエムが新年に全面広告を打っていたことがある。今回の記事はそれに比する効果を持つものといえるだろう。
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by noz1969 | 2008-01-08 12:25 | 日記

謹賀新年

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by noz1969 | 2008-01-01 00:00 | 野沢正光建築工房