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百の知恵叢書『日本人の住まい』

真鍋さん編集の百の知恵叢書、宮本常一 農山漁村文化協会 、第十三巻目宮本常一著「日本人の住まい」が刊行された。
宮本常一がほぼ完成したが未完でおかれていた原稿を発掘、整理、挿図、写真を丁寧に選定、一冊にまとめた労作である。写真は民家のイラストの本で著名な川島宙次さんのもの、宮本が原稿を著した時期とほぼ重なる時期に撮影されたものが掲載されている。期せずしてこれらの写真が日の目を見る機会となったことも喜ばしい。図面の探査も大変だったようだ。出典が様々であろうと思われるのにきれいに統一されたものとなって、さすが真鍋さん、良い本にまとまっている。
まだパラパラと見たところ、じっくりとみるのがたのしみである。(野沢)
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by noz1969 | 2007-03-29 18:06 | 本・DVD

ジャン プルーベ

昨日 建築会館でペーター ズルツアーさんの講演を中心にしたシンポジウムがあった。
深尾さん、難波さんが出席、理科大の山名さんが仕切る役割。現在全四巻のうち三冊目までが出版されているプルーベについての壮大なアンソロジーの著者が何を話すのか、興味が後押しし会場を訪れた。
平日日中のせいか5割の入り。すでに二回の講演があったとのことで今回は30年代以降の仕事につき話された。プルーべの様々な人、組織との協同のこと、素材の話、サポートした企業など。研究を進めるズルツアーさんがじつは歴史研究者ではなくもともとインダストリーに身を置く人でありプルーべへの興味と共感が研究のきっかけであり、学生と共に様々な埋もれたプルーべ作品、資料を各地で発掘していることに面白みを感じた。いわばプルーベ ハンターである。量産され、解体可能な建築はフランスでも消えていくらしいことが話の中から、うかがわれた。ただし彼らの活動が価値の広報の役割を果たし、移設転用再建やメンテナンス、原状復元、果ては居住者の自負、満足を作り出している気配の話などが共感を呼ぶ。難波氏の解説に「WHAT(建築)がHOW(技術)の上位にあると一般に建築家は考えたいのではないか。プルーベはそれが一体である」とのはなしがあった。「技術が創造の下にある」のではなく、「技術の突き詰めた思考が創造を生み出す」彼の独特できわめて達者な驚くほどの量のスケッチがそれを証明しているのではないか。
プルーベ、からペリアン経由で坂倉へ、坂倉から池辺へ、池辺から難波へという系譜の解読も面白かった。(野沢)
by noz1969 | 2007-03-29 17:08 | 野沢正光建築工房

那須の週末住宅

クライアントへの私信ではあるが今回の週末住宅の解説に

先週末はありがとうございました。良い仕事をさせていただきありがとうございました。薄井さんという大工は本当に日本の大工の鏡、と言う感じです。こうした大工はほかにもいるのだと思いますがなかなかお目にかかりません。たいそうな話ですが私たちは日本の伝統の先に何が出来るのか、と考えてデザインを進めているつもりなのですが、今となってはこの話を面白いと思ってくれる大工がめっきり少なくなりました。みな簡単な仕組みでできる簡単な家ばかりになってきた結果でしょう。もちろんそうした需要も根拠のあることであることもわかるのですが。

今回の建物の木構造、集熱方式などいくつかの面白いところをご説明してみます。
1 大きな交差した梁がクロスに挟み込んで大きい室内を作っています。
2 その勾配が南と北で異なります。これは南の面を太陽熱を集めるのに程よい勾配に しているためです。このため垂木を支える八角形のモヤ材の角度が違います。この辺 が大工の飲み込みのいいところです。大工は原寸図を作り材料を加工します。
3 その上、東と西の屋根も勾配が違います。これは寝室上のスペースとダイニング上 のスペースの違いになって現れています。
4 東と西の半分と南面は庇(ひさし)が1メートル80センチほど出ています。庇下 のスペースは建物を守り、室内を快適にするもうひとつの居間かもしれません。雨の 日にも窓を開けて風を入れることが出来ます。日本の建築の庇が長いのは気候の所為 でしょう。1,8メートルの庇は角でその1,414倍の長さとなります。ここに斜 面に生え根元がすこし湾曲したアテの杉を用い、梁のしたにもぐりこませています。 こうした加工は作業場でいったん仕口(組み合う加工)をして現地で調整するという 手間を要します。大工のうまさが必要です。
5 後ろ側は打ってかわり庇をなくしました。前面と後面で印象が大きく違います。ひ とつは庇も建築費に入るためです。いわば普通の90センチの庇を全部南に回し北は 無しとしたとも考えられるでしょう。ただ風通しなども考え、テラスを室内側に設け ました。安達太良山が見える良い景色が手に入りました。
6 南の開口部は7,2メートルあります。ペアガラス、木製サッシとなっています。 多分この別荘地最大のガラスではないでしょうか。庭の道のそばに生垣または植え込 み、下草などが囲うようにあると庭がもっと良くなると思います。高さは車の屋根ほ どでしょうか、よろしくお願いします。
7 屋根で週熱した暖かくした外の新鮮な空気が室内に循環し不在のときでも部屋を暖 めます。夏は夜間外気を取り入れ、換気が促進されますからかびたり、着いたときに 空気が悪い、と言ったことが無いと思います。夏、冬の切り替えが必要です。工務店 と相談してください。先日のうす曇の時でも棟の温度は50度ほどありました。
これで全部ではありませんが、いったんここまでとします。また時間を作ってメモの続きを書きます。よろしくお願いします。

(野沢)
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by noz1969 | 2007-03-19 17:07 | 那須の週末住宅

圓山氏が設計した東京未来大学の見学

荒川と湾曲しそれに近づく隅田川の間、堀切駅が懐かしい映画のセットのようにある。周辺は高速道路、水門など巨大な構築物が目に付き、遠くに巣鴨の拘置所が見える。ここにあった区立中学が大学にコンバージョンされ竣工した。
設計は北海道の圓山彬雄さん、既存の耐震改修に図書館、食堂、職員研究室などの入っ
た建築を加えることにより小ぶりながらひとまとまりの幼児保育を教える単科大学になっている。L型配置の既存校舎は耐震壁の設置によりファサードが変わったり、設備の増強などのほかおおむねそのままに、教室のフローリングも磨きをかけて再使用である。新築の建物がその校庭を埋めている。こうした再生の事例は今後も多くなるはず。昨年見た求道学舎のコンバージョンとも肩を並べる事例だろう。北海道ブランドの木製サッシ、圓山ブランド?のコンクリートブロックなど好感。旧校舎の文部省基準のおかげ?で建築躯体が中学生のスケールでないことも幸いしたのかもしれない。廃校はなんにでも化ける可能性がある。後は企画と運営と仕組みと資金か?
ちなみにこの学校は「三年A組金八先生」のモデルとなったところとのこと。(野沢)
東京未来大学HP
by noz1969 | 2007-03-19 14:56 | 野沢正光建築工房

成良仁=南田是也

南田是也というテラコッタの作家がいる。今月の末まで、宇都宮の町のあちこち
の店先が彼のギャラリーになっている。日曜日、那須に行く途中によって観てき
た。信じられないほど太った女のヌードが、とてもユーモラスであり、どこかシ
ニカルなもの。南田是也、とっくに素性は知られていて、成良仁が本名。私の学
生時代からの友人、益子在住の陶芸家である。本業のほう?もなかなか面白い。
伝統との戦いは陶芸家の宿命のようなもの。その先にテラコッタの仕事があるの
だろう。人格がもうひとり。確か「パリで今回のような町中での展観をしたい」
と考えていると聞いたこともある、今回のは地元での小手調べかもしれないが
「まちおこし」としてもとても面白い。新聞各紙が後援する中、ヌード、と言う
ことでNHKが取材を控えてる?との話が聞こえてきた。ほんとにココロカラア
キレル。(野沢正光)
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by noz1969 | 2007-03-15 13:59 | 本・DVD

雪の大丸温泉

那須の週末住宅が竣工し、一段落、ご苦労会ということで深谷建設が面倒を見ている奥那須、大丸温泉にスタッフと建設会社の関係者で投宿、歓談した。
川が温泉という,秘湯であるが、酔って足を滑らすもの、温泉と酒で翌日ぼっとしているものなど、あきれるほどのバカばかりでスタッフ日常の姿が人格を疑がわせる。まあ私自身、若き日に同様のことが無かったか、と言うとそんなこともないのではあるが。ニュースで明らかだがその夜は今年になって初?の寒波、もう春である、との甘い認識は奥那須には通じない。翌朝は銀世界、ノーマルタイヤで1300メートルの地を訪れる無謀にあらためて気付いたのだが後の祭り、深谷さんたちの車で下山。ボルボは駐車場で今日も雪をかぶっている。久しぶりの休日であったが、休日は休日で体力と知力の要るものとつくづく思い知る。お世話になりました。(野沢)
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by noz1969 | 2007-03-13 14:10 | 野沢正光建築工房

多摩ニュータウンアーカイブ2007 -2009第1回シンポジウム

NPO団地再生研究会も協賛するシンポジウムです。転載します。

多摩ニュータウンアーカイブ2007 -2009第1回シンポジウムのお知らせ

4月15日(日)13:00~17:00 新都市センタール(多摩センター駅下車徒歩)
主催:多摩ニュータウン学会+日本都市計画学会+学術・文化・産業ネットワーク多摩 
協賛:NPO団地再生研究会他
多摩ニュータウン学会 内容と参加申し込み
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by noz1969 | 2007-03-07 17:02 | 野沢正光建築工房

阿井さん逝去

阿井和男さんが亡くなられた。
最近はあまり会うことがなかったのだが大高事務所に勤めることになったのも阿井さんとのことがきっかけであった。阿井さんは確か大阪万博のことがありモントリオール博を観ているはずで、その折に訪れたサフディのハビタ60のことポールルドルフのイエールことを熱っぽく話したことそれを聞いたことを思い出す。事務所に行くと前日には無かった巨大なエレベーションが製図版にあったことなど、思い出すことが尽きない。67であった。冥福を祈る。(野沢)
by noz1969 | 2007-03-07 15:06 | 野沢正光建築工房

ジム ジャームシュとヴェンダーズ

ジムジャームシュのデッドマン と ベルリン天使の詩 ヴィム・ヴェンダースを見つけた。購入。とても懐かしい。
デッドマンは荒廃乱暴な白人に対比される知性と神性を併せ持つネイティブが白人ウイリアムブレイク!と同道するロードムービーであった。
ベルリン、、も当時何度か観た記憶がある。楽しみである。さて いつ観るのか。(野沢)
by noz1969 | 2007-03-06 12:27 | 本・DVD

横浜国大の設計製図

大学院の大幅な改組に伴い、山本理顕が招聘され国大の設計の指導体制が学部を含め大きく変わる。私はかれこれ10年を超えて参加しているのだがこれからもしばらくかかわりが続くことになった。担当は三年前期であることは変わらないが体制が変わった。飯田善彦が中心になり計画系の大原さん、藤岡さんがサポートに回る体制。昨日この体制を前提にした今後の取り組みについての会議。課題の大枠は維持、図書館から地区センターへビルディングタイプの変更を決定する。三年の前期に学生が調査に行く私立図書館の設計の古さ(建物が古くても運営の工夫があればそれはそれでいいのだが)が気になっていたのでこれは良かった。週に一日の応答のみの不安があるが,計画系の先生のサポートを期待して対応することにする。荒天のなか車で帰宅。(野沢)
by noz1969 | 2007-03-06 12:22 | 野沢正光建築工房