今回は奈良北団地である。計画の当事者のお一人、市浦、小林明さんからレクチュアがある。1969年の計画5年ほどですべてが完成したと言う。電鉄会社により造成がすんでいた土地の上の計画であり計画が手をつける以前に起伏のある里山は大きく改変されていたようだ。住戸は標準設計の2dk、3dkによっているが住棟形式は特徴的である。三階にひとつのエレベータ停止、階と階の間、踊り場階に極めて長く続く廊下が設けられている。、建物は135度にクランクしながら続く。エレベータの利用効率から考えられた住棟形式と言う。郊外の中層団地と都市内の高密度な面開発、その中間的位置づけの「近郊高密度団地」の試みの最初の事例だという。住棟一階エレベータ乗り場付近に小ぶりなプレイロットそれに連続する中庭の整備が、配置計画の主題であった。廊下階のクランク部の空中にもにもプレイロットがあったという。それらは子供の減少と少年の溜まり場化、、自動車の普及耐震改修等により改修されている。立ち木も駐車場化に伴い大分切り倒されたようだ。小林さんも戸惑いを見せる。しかし独創な住棟配置はそのままであり、建物は極めてよく管理されていて当時の計画の意図を良く伝える。ツールーズミライユ、バイカー、バーミンガムなど当時のヨーロッパの団地計画へのシンパシー、それを色濃く感じる。改修されたとはいえ中庭の成長はすばらしい。これからの季節、緑の繁茂するころはもっと違う印象となるであろう。小林さんも言っていたが住み手の高齢化などの変化に伴う共用部に人々が集う場を用意するなどの機能のコンバージョンがもっとなされるといい。それがあれば賑わいのあるものとなるであろう。こうしたストックを積極的に改修、今後につなげていくこと、そのための仕組み、合意を考えたい。終了後玉川学園駅まで散策。藤森さん、「ニラハウス」に遭遇。駅前のカフェで歓談の後散会する。
by noz1969
| 2009-03-01 03:39
| 日記
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