茂木さん

学生のころの先生、茂木さんが亡くなってしまった。先週の始め知らせを受けた。18日が葬儀であった。今日になりやっと思い出を書こうか、と思う。学生時代、本当に世話になった。温厚、誠実な人であった。お邪魔したい、と思いつつそうしなかったのもなんとなくそうしたこととつながっているように思う。べたべたしない人であった。
茂木さんというと中国でありもちろん客家の円楼である。その最初の旅は私もその一員であった。当時の中国福建省は外国人に開放されていない地域であった。円楼があるという古田を目指したのであったがそこは別の古田であり、円楼は 影も無かった。ただこの旅の楽しさは格別であった。土岐さんは宿がイタリアの彼のアパートと同じだ、と言って驚いていた。遠来のわれわれをもてなす村は最大の食事でもてなしてくれた。海岸に近い石の村は一日中石をたたく音がしていた。
いま私の食器棚にはその折に求めた染付けの皿がある。竜の描かれた、多分明朝後期?のものだ。
茂木さんの中国民器コレクションは とても充実しているものとして知られる。何度もあった機会を逃がしてそれを見てはいないのだが、愛知県の博物館にそれらは寄贈されているという。葬儀の弔電の中に愛知県知事のものがあったのはそのことによるのだろう。機会を見てそこを訪れたい。心から冥福をいのる。茂木さんは82歳であった。
by noz1969 | 2008-12-23 19:50
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