秩父セメント秩父工場

25日、天候がよくない。懸案の秩父セメント秩父工場へ。雨中多くの人が集まった。正門前まで来て帰ったことがある人、長年気になりながら遠距離であることなどから未見の人など「この機会に」と考えた人が多かったようだ。

50年を経て、もちろんその後の設備装置の改変があるのだが半世紀以前の工場の大半はいまだ健在。ヴォールト状のシルエットの連続する景観とファサードに徹底して使用されている600ピッチのライトゲージにガラス、スレートのはめられた極めて軽いカーテンウオールがとても印象に残る。谷口さんのプロポーション、「障子のような」という工場長の話にも素直に納得する。
しかしそれにしても大きい。60メートルの高さの積み上げられたプラント、240メートルの長さの建屋、目の前で回転する釜の巨大さ、のた打ち回る排気を戻すなど様々なスケールを超えたダクト、轟音を発しながら回転する粉砕機。谷口さんのファサードと巨大なこれ等が入り組みながら存在する風景に唖然とするのみ。
内部が1450度という回転釜周辺は幾分の雨の中、熱により地表も乾き、釜は雨をもうもうと
水蒸気に変えそれが白く霞む。まるで大友克洋の「スチームボーイ」のシーンが10倍巨大化したように見える。製鉄、セメント生産など、重厚長大といわれる産業の現場は19世紀的なすごさの中にある。

われわれに取りきわめて身近な建材であるセメントの生産の現場であることにもより、ドコモモ選定20の建築の見学であることと共に社会科見学の様相。大野秀敏さんの「セメント生産の現場であることにより浮遊するセメントのアルカリ分が作用、その結果として50年を経てのスチール製のカーテンウオールが健在なのではないか」との説も興味深い。
今回の誘いに最初に反応してくれた難波君の参加が叶わなかったが研究室学生が多数参加しあちこちの写真を撮りながら戸惑い感興の声を上げていた。

蕎麦屋で会食の後、駅まで市内の散策、登録文化財の肉屋や周辺の家並みや刈り込みを観て増山さんと二人、鈍行電車に乗る。途中で走行中の電車の下部で大きい異音、電車が止まる。数分後「ただいまいのししと衝突、問題ないので発車します」とのアナウンス、秩父の山の深さを実感した。いのししの冥福を祈る。(野沢)


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by noz1969 | 2007-05-26 13:52 | 野沢正光建築工房
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