カニングハム邸で 思うこと

先日のカニングハム邸でのコンサートに際し 初めて下重暁子さんの「エロイーズカニングハムの家」を急ぎななめに読んだ。もう一度きちんと読まねばならない。ここカニングハム邸、西麻布の家は改めて言うまでも無くレーモンドのデザインであるが、両親が住まいとした軽井沢の家が老朽化により建替えられる折、新しい家を吉村順三が手がけたこと、その後それが下重さんの住まいとなった。このことについて改めて思うことがあった。
新しいカニングハム邸建設のとき 敷地の一部が売られ、その資金で青少年音楽協会のためのハーモニーハウスが作られた。カニングハムさん長年の仕事である青少年に音楽を届ける、私財はこんな形でその継承のために使われ今に残されたのだ。ハーモニーハウス、これも吉村の設計であることはもちろんご存知であろう。そしてこのハーモニーハウスに レーモンドの軽井沢の最初の別邸である『夏の家」=コルビジュエの住宅がモチーフになっていることで有名な=を思わせる構成があることももちろんご存知であろう。中間階からの上下二つの階を結ぶスロープの空間である。
レーモンドの夏の家の前に立つ若き吉村の写真を見たことがある。吉村とレーモンドは夏、ここ軽井沢で長く交流があり そこにカニングハムさんももちろん混じっていたのだろう。吉村がゆるい南傾斜の敷地に立ちハーモニーハウスの構想したとき、そのはじめからこのスロープが思いつかれたのかもしれないなとふと思った。
建築に限らず、人が考えることの面白さはその連綿とした連関にあるのかもしれない。継承することの大切さと構想の連関を確認しそれを傷つけることの無い継承の大切さを思う。其れを忘れた安易な改修捏造は許されることではない。下重さんによる継承は彼女がこの本をお書きいただくにより私たちにつながったのである。
by noz1969 | 2014-09-18 12:00 | 日記
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