ムサビ M1短期課題

ムサビの大学院で短期の課題を出している。課題は毎年変えているのだが、今年はムサビ最寄り駅の国分寺駅前が大規模に改変され更地になっていることを条件に仮設の施設、たとえばコンサートのためのステージ、を考えろ、というものとした。施設の用途内容を含めてきわめて面白いプロジェクトが並んだ。この学校の強みは考えることに自在であることを遺伝子にしていることだろうか、きわめて自由な発想で考えることができている。その上大学院の学生は4年のトレーニングを経て、建築的思索とはどのような要件の下にあるのか、に気づいている。
伸縮するドームをポリカで作る、ひっぱられた布によるシェルター、使用を待ち保管され積み上げられている鉄筋によるもの、パンタグラフの展開によるステージ、もちろん定番の足場用単管の構成のものも。このほかもじつに面白いものがおおくあった。
転じれば巷間、残念ながら 自在に考えることが禁じられているのではないか、と思われる思考停止の中に多くの学生がいるように思う。社会にもそうした傾向がある。以前も書いたと思うが耐震改修のために「減築」を計画し、役所に持ち込んだ折に経験した「ブレースの付加以外の方策による対応は一軒も無く許可が難しい」、といわれたことなどに顕著な、自由な思考を許されないレベルの低い許認可などがその例だ。がんじがらめなのだ。こんなことでは現況を批評的に見ながら新たな社会を探すことなど出来ようもあるまい。何より3,11を経験したわれわれは、これまでの価値観から抜け、まったく新たなそれへ離陸することが求められているし真剣な思索が求められている。
ムサビの学生の今後に期待したい。
by noz1969 | 2014-07-07 12:01 | 日記
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