奥村昭雄を思い出す会

昨日の午後 目白の自由学園、明日館で「奥村昭雄を思い出す会」があった。雨模様の天候ではあったが実に多くの参加者があった。700名にならんとする人であったという。庭の桜の老樹はまだ見事な花を咲かせていた。各部屋に家具、建築、博物誌の展示がなされ、たくさんの資料は読み解くのが大変なほどであった。たった数時間の充実した展覧会、とでも言う風情であった。私の役割は上階の暖炉の前で「炉辺談話」を行うというものであったが高間さん、梅干野さん、宿谷さんお三方の話を聞きながら実は奥村を含め多くの人の仕事が何らかの意味で少年期の環境と不可分でありその後の体験とつながりながら生長していくものであることを改めて思った。当初三つのグループに分けて談話を考えていたのだが、そうはせず御三人の席に内田祥哉さんが加わる形で談話は継続しながら進行した。奥村まことさんももちろん傍らに居てその間ずっと談話に参加してくれていた。各々の記憶の中から話された 学会のパッシブデザインの委員会のこと、建築資料集成「物品編」のことなどを聴きながら一見 アカデミズムから距離を置いていたように思われがちな奥村のもうひとつの面を確認することにもなったと思う。学生時代に奥村昭雄、まことは東大の吉武先生門下が作った、「LV研究会」にもぐりこんでいたことなど当時の横つながりの交流が今日までつながっていることの確認も出来た。終盤松隈さん、藤岡さんが加わり歴史の中の吉村、奥村を探ったが、内田先生が世界のモダニズムのなかで吉村、奥村の木造の仕事がいかに貴重なものであるかを語り、「家具の仕事の質に驚く」と話されたことをここに明記しておきたい。
談話の終了後 私はワイングラスを手にしながら会場に多くの知己を見つけて懐かしいときを過ごした。奥村は既にいない。しかし奥村との応答、それを繰り返した時間の記憶は私たちの体内に沈積しているはずである。私たちのこれからの仕事はその意味で奥村の考えいたこととつながるものであるはずではないか。出来る限り考えることをあきらめない 面白いことを作り出すことを継続していこうと思う。
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by noz1969 | 2013-04-03 16:58 | 日記
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