爺が岳ロッジという建築

先日 私の事務所の元所員Oさんから 爺が岳ロッジの現況の写真を送ってもらい、感慨ひとしおであった。古い「新建築」をみる。1976年6月号。それ以前に友人の家など数件の住宅を手がけてはいるがそれを除けばこれが処女作といっていい建築であった。いまから37年ほど前の記事である。設計が74年、工事が75年、とあるから ほぼいまから40年ほど前に依頼をうけ仕事を始めたのではないだろうか。急ぎ建設を進め、スキーシーズンの年末から営業を始めたのだったのだろう。春になり撮影 写真に写る唐松にいまだ葉が無いとことがその証拠だ。カメラは新建築写真部、あの荒井さんであった。大型のリンフォフを据えて太陽の位置が定まるまで待つ。その間に 建築家のゴシップなど色々な話を聞いたことを思い出す。カメラマンは何でも知っていた。夜景、といっても実際は夕景だが、を撮る。暖炉には新聞一枚に火をつけてあたかも赤々と燃えているように撮影する。宿泊、翌朝の光での撮影で太陽光が一巡、撮影も終了する。なるほど、と思いながらの二日がかりの撮影。いまと全く違うきわめて丁寧な取材であった。
この建物は途中で所有者が変わり私の関与もそこまでとなった。その後の様子は時折耳にするだけであった。「外観が大きく変更されている」とのうわさに 正直 あまり考えたくない、気分もあった。今回の報告に添付された写真にはそのためか、外観はない。Oさんの配慮である。ただし室内の写真を見るとほぼ当時のままである。室内を移したショットに見える外壁が 元の焼杉板ではないことが見えるが、懐かしい。屋根面の全てが開口部の中廊下もいまも健全のようである。客室内は満室で撮影できなかった、とのコメント。スキーブームが下火といわれる中、営業も順調のようだ。40年近く営業を続けている事実、なんとなく懐かしく嬉しい気分を持った。
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写真はOさん撮影のもの
by noz1969 | 2013-01-17 14:38 | 日記
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