八戸にて

全国の高専の建築系の学科が集まるデザインコンテストの本選が明日あさっての二日にわたりここ八戸高専を舞台となり行われる。審査に立ち会うため今日からこの地に赴いている。準備に忙しい中、八戸高専の建築系の先生、Mさんが私の対応をしてくれた。準備に大きな齟齬をきたしたのではないかと申し訳なく思う。Mさんの車で懸案の御所野遺跡に連れて行っていただいたのだ。紅葉が盛りである。御所野遺跡は緩やかに下る丘の開かれた広大な草地だ。例により工業団地建設の途中で発見されたものであると言う。土中から火災で焼失したと考えられる竪穴住居が現れたのである。それら住居の検証によってこれが茅葺ではなく土により覆われ緑に覆われた住居であったことが確認されたという。ここに復元された土葺き屋根の竪穴住居は数棟ごとの群れとなって点在し建てられている。解説によれば実に500棟の集落であったと言うがどのようにこの棟数を確認したのだろうか考古学は私たちが立ち入る隙のある学問のように思われる。この季節であってもこれら竪穴住居の土の屋根には未だ豊かに緑が残る。遠くの山並みを背景に手前は大小の緑の土饅頭ー竪穴住居ーがいくつも存在する、実に優れた景観である。竪穴の室内は予想通り掘り込まれていて深い。丸太の階段を下る。一メートルを越える深さだ。入り口近傍に石に囲まれた囲炉裏。ここには焼けた薪が炭になり残る。室内はスモークのにおいが漂う。この復元住居が体験的な場として使われている証拠だろう。
竪穴住居がこの国において長く基本的な「住まい」であったのではないか、という仮説はここ、御所野遺跡の復元住居の写真を見せてもらったことにもよっている。今回の訪問でこの住居が予想通りの温熱環境を持つものであることを確認した。実に暖かいのだ。
八戸に戻り夕食である。八戸である。よって魚を食べる。この経験も豊かである。
明日は高専の学生諸君の力作をじっくり見せていただくことになる。
e0079037_20492634.jpg

by noz1969 | 2010-11-12 20:33 | 日記
<< 八戸にて 2 デザコン 大沢昌助と父大沢三之助展 >>