重力暖房とオンドル

フランクロイドライトの重力暖房についてはソーラーキャットの総集編「日本の建築デザインと環境技術に採録されている「再考;近代日本の建築デザインと環境技術=小玉裕一郎、難波和彦、野沢正光」(初出GA1998夏号)に写真がある。ジェイコブス邸の工事中の地下部分をライトが覗き込んでいる写真だ。コメントに帝国ホテルの仕事で来日の折に体験したオンドル体験が基になっているといわれている、とある。フランクロイドライト1958年刊THE NATURAL HOUSEに自身の明快な記載があることを再確認した。「ユーソニアン住宅2」に重力暖房とタイトルがあり 東京でのオンドル体験が書かれている。もちろん帝国ホテルでの来日(1914年)の折のことだ。大倉男爵宅に招かれた折に邸内の「朝鮮の間」に案内されたこととその快適さがほかの部屋の寒さと比較しながら記載され、これが重力暖房のヒントとなった、と書かれている。ライトのオンドル体験は朝鮮半島への旅によるものでは無かった。東京にオンドル部屋があったのである。当時の日本の上流階級の趣味としての「朝鮮」が「グラビティーヒーティング」を導いたことが面白い。この当時柳宗悦等が朝鮮半島への興味と共感を示すが、大倉男爵の邸宅内の「朝鮮の間」の存在はこうしたことと関連するのであろうか。興味は尽きない。
「ナチュラルハウス」は私の書棚に長くある。今回確認したのはそれの読み直しによるのではなく書店で偶然見つけた ちくま学芸文庫版「フランクロイドライト「自然の家」富岡義人訳による。「ライトの著作が文庫になっているのか」との興味で買い求めてパラパラとめくっての再確認であった。昼飯後の書店散歩がつまらない。書店の閉店、そして残った大型?チェーン店には面白い本が無いのだ。その中で各社の刊行する一部の「新書」「選書」そして「学芸文庫」の類にかろうじて手が伸びる。後は都心に出向いたおりのの大型書店での渉猟と「アマゾン」ということになる。
by noz1969 | 2010-11-08 11:32 | 日記
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