愛知県立芸術大学の既存の撤去、改築の計画が動いている。なんとも残念だが最近の新しい大学キャンパスデザインは幼稚で耐えられないものが多いのではないかと感じる。一昨年だったか、前川さんのピラミッド校舎が壊されるということで訪れた学習院、周囲の建物は描割りのような幼稚なクラシシズムであったし、横浜線の窓から見える転居した青山学院のキャンパスも同様だ。聞けば少子化に伴う志願者数の減少は深刻であり、各大学は存亡を賭けキャンパスの改修を行っているらしい。「女の子に好かれるものに」ということが最大のデザインの根拠になっているとの指摘も残念だがうなずけるのだ。本当にそれでいいのだろうか。学生時代に考えることが真剣に行われたものの中にいることと、安直なポピュリズムにすり寄ったものの中で過ごすことのおおきな差を考えたい。吉村順三,奥村昭雄等によって計画がなされた愛知県立芸術大学キャンパスが確かに真剣に考えられたものであることは言うまでも無い。もちろん当時の条件により今日の性能を満たさないところが存在することはある。障碍者に対する配慮、空調設備などだ。またカリキュラムの変更などにより不足する建物もあるだろう。既存のキャンパスを尊重しながらそれらを注意深く付け加える、それが極めて創造的な建築家の作為であるはずではないか。
3月27日の土曜日愛知県立芸術大学の見学会が午後一時半からある。三沢浩さん、藤岡洋保さんの講演がある。現地を知らない多くの方々にとりとてもよい機会であると思う。そして特に改修の計画をすでにを始めている設計事務所のかたがたにとっては。 ついでながらこのキャンパス計画は当時SDの別冊として丁寧な解説書が編まれている。図書館で探されたい。 「吉村順三を見る・聴く」 2010年3月27日(土) 愛知県立芸術大学管理棟前集合 ■見学会とレクチャー(資料代 1000円) 13:30-15:00 見学会 15:30-17:00 三沢・藤岡氏による吉村作品の解説 ■懇親会(会費4000円) 18:00-20:00 懇親会(藤ヶ丘周辺) ■定員 50名 申込み順 ■問い合わせ 名古屋CDフォーラム 052-933-3101
by noz1969
| 2010-03-11 11:38
| 日記
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